精神的な病をかかえて引っ越しするのは難しい。
こんにちは,まんまる桜です。
前回は,引っ越しシリーズ【その1】でした。↓
辛く苦い場所から離れて,
病院や仕事の多い都市部へ引っ越しを試みました。
1.家探し
不動産賃貸仲介会社というのでしょうか?
アパマンショップとか,エイブルとか。
私と彼は,都合が合う土日に,そういう仲介会社をめぐっていました。
今思えば,めまいや過呼吸を起こすような彼を引き連れて,
よくやってましたね(無茶)。
彼は倒れはしなかったものの,相当ストレスを感じていたと思います。
私もストレスを感じていました。
私は,そこそこのところで妥協も必要だと思っていて,早く決めたいと思っていました。
彼は何件物件を見ても,ピンと来てない様子。
言い合いのケンカもよくしていました。
私は家の話をしたいのに,彼は読んだ本の話をする。
私が「その作者嫌いなんだけど」と言って大ゲンカとか。
この時点で引っ越しを諦めておけばよかったんですよね。
この時の私たちには無理だと。
2.「私が決めてくる」
引っ越すことには同意していた彼ですが,体力に限界があります。
それまでは2人で不動産を訪れていましたが,彼はついてくるのを止めました。
私は「私が決めてくる。それでいいよね?」と彼を納得させて,一人で決めてきました。
私が重視したことは,
①家賃。
とにかくこれを抑えたかったです。彼の収入が望めませんから。
住んでいた部屋より月1万円は安く抑えることができる計算でした。
広さは2DK以上あればいいやという感じで,あまり重視していませんでした。
②通勤のしやすさ(便利な駅に近い)
私にとっても彼にとってもいいものだと思っていました。
(当時の私は,日々の生活より仕事に重きを置いていたのです。)
3.引っ越し
引っ越し当日まで,彼は新しい部屋を知らないわけなんです。
間取り図や写真は見てもらっていましたが。
それまで住んでいた家を出るまでは,彼はまだ元気でした。
新しい家に引っ越して,段ボールを引っ越し業者に運んでもらい,
今までより狭い部屋に,積み上がる段ボール箱・・・
急に悲しさがこみ上げてきて,彼は泣いていました。
4.泣いて,怒って,壊して・・・
あんなに荒れた彼はもう見たくありません。
不安定で,自分で自分をコントロールできなくなっていました。
携帯電話(当時ガラケー)をバキッと折っていました。
もう一緒にやっていけないなと思ったくらいです。
彼もそう思ったでしょうね。
「家賃が1万円安くなるってそんなに大事?!」と責められましたが,
私は本気で「大事」だと思っていました。
「お金がないのだから,節約して当たり前だ」と私が答えると,
「そんな一般論を聞いてない」と怒る彼。
全然会話がかみ合いませんでした。
5.今だから分かること。
私はまだ大黒柱になる覚悟がなくて,
引っ越しを通して,彼に復讐していたのだと思います。
「あなたの稼ぎがないから,狭い安い部屋になりましたよ。あなたのせいですよ。」
と,彼を苦しめるメッセージを送り続けていたのだと思います。(もちろん無意識ですけど。)
通勤しやすいようにと,便利な駅に近いマンションを選んだのも,
「早く仕事を見つけて働いてね。」
という圧力になっていたと思います。
一般論でいうと,私がしたことは間違いとは言えません。
収入が減るから,家賃を節約する。通勤に便利な駅を選ぶ。
普通のことだと思います。
でも,パートナーが精神的な病をかかえていた場合,
何がお互いにとって一番大切なのか,一般論とは異なってきます。
6.家賃よりも最寄り駅よりも大切なこと。
①まずは安心を。
引っ越すことより,慣れた居心地のよい場所で休むことが必要でした。
②新しい家がどうだこうだという会話よりも,しなければいけなかった会話。
「今日はどうだった?」
「ご飯食べた?」
「体調はマシ?」「無理しないでね」
「いいことあった?」
家がどうだこうだと言っている場合ではなかったんですよね。
まずは,健康で楽しい生活を取りもどすことが大切でした。
焦ってはいけません。順番を間違えてはいけません。
次回,元の家に戻ります。
以上です。ありがとうございました。(^^)