大黒柱妻が中国留学を目指すブログ

【大幅メンテナンス中…】病気の夫とゆったり過ごすのが幸せ。おいしいご飯と中国が好き。気長に夢をかなえたい,まんまる桜のブログです。

天安門はいろいろな歴史を見てきた。

こんにちは,まんまる桜です。
本日は日曜出勤でしたが,明日は有給がとれましたので,気持ちがおだやかです。
( `ー´)ノ よっしゃ!
夫も休みだから,遊ぶぞー☆


昨日は,天安門の概要を書きました。

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今日は,天安門(天安門広場)で起きた出来事について書いていきます。

1.文化大革命

まず,文化大革命(文革)(1966年~1976年,1977年終結宣言)ですが・・・

中国共産党があまり触れられたくないところです。

文化大革命は,資本主義文化を徹底的に否定する政治運動です。
冷戦期ですから,社会主義vs資本主義の構図がありました。
理論的にはそういう構図ですが,実際は,毛沢東が,実権を握った劉少奇や鄧小平から権力を奪還しようとした側面がありました。
暴力的な行為も多く生じました。天安門広場においても。
毛沢東に反する人,富裕層,高級官僚,知識人たちが,つるし上げの対象になり,弾圧を受けました。

ちなみに,文革の映画で,私が好きなものはこれです。

知識人の息子2人が,「再教育」「下放」のため農村に送られます。
荷物チェックで本は燃やされてしまいます。
ヴァイオリンも燃やされかけましたが,
モーツァルトのソナタを「毛首席を想って」というタイトルで弾くことにして,なんとか免れました。
美しい景色,音楽。
その村で,青年たちは,お針子さん(お裁縫が仕事の人)と出会い,お針子さんの人生を変えていきます。

もちろん,文化大革命の歴史的評価はよいものではありません。文化大革命の10年間で,中国の経済や文化は停滞してしまいました。
しかし,それでも毛沢東が評価されるのは,「功績第一,誤り第二」とされるからです。(「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」,1981年,共産党より)

これはおもしろいテキストでした。(私の中国語能力ではかなり難しかった。)
重要史料が中国語でコンパクトに掲載されているので,かいつまんで読めます。
功績第一,誤り第二」の決議も載っています。
近現代中国史に興味のある中国語学習者は,ぜひどうぞ!

2.天安門事件

1976年と1989年のものがありますが,ここでは1989年のものを取り上げます。

一九八九年六月四日未明。中国・北京の天安門広場で座り込み・ハンストを続けていた学生たちを,軍隊が取り囲んでいました。七週間にわたって続いた学生の民主化要求の行動が,装甲車と戦車によって踏みつぶされる瞬間でした。

(池上彰,2007年『そうだったのか!現代史』集英社文庫)

学生vs戦車というのは,大変ショッキングなものです。
民主化運動を武力で押さえようとするわけですから。

池上さんの本によると,「天安門広場からの記者リポートでは,報道各社が携帯電話を使用しました」とありました。肩掛けのでっかいやつです。(平野ノラさんの「しもしも~」ってやつです♪
世界各国が臨場感あふれるリポートをし,中国のしていることがあっという間に世界に知れ渡っていきました。

3.約14憶人を統治することがどんなに大変なことなのか。

今回、中国を非難したくて,文革や天安門事件を取り上げたわけではありません。(大問題な事件ではあるのですが。)
中国で事件や問題が起きた時に,「また中国がやらかした・・・」「中国,何やってんだよ」と考えがちなのですが,

「中国のことを考えるときは,彼我の抱え込んでいるリスクのスケールの差を勘定に入れる必要がある。」

(内田樹,2011年『増補版 街場の中国論』ミシマ社)

ということを私は意識するようにしています。

日本の価値観,日本人の感覚で考えると,的外れになってしまうこともあります。

「なぜ中国は日本のように○○していないの?」と言っても,

「いやいや,日本なんて1億人規模だから出来るんだよ」「50以上の少数民族(日本の総人口より多い)を抱えている気持ち分かる?」と中国に怒られてしまいます。

 

以下は,『増補版 街場の中国論』を参考に書いています。

①中国の統治者は失敗が許されない。

日本の統治者が失敗してもせいぜい選挙で負けるくらいです。中国だと,それでは済みません。政治をするシステム自体が崩れ,少数民族が独立運動を起こし,経済破綻し,テロが起きるでしょう。

「現代中国の統治者は世界最高レベルの知性と果断を要求されます。」

「中国の統治者は残忍なほど冷徹で計算高くならざるをえない。」

②他国の真似が出来ない。自分たちで考えるしかない。

総人口の十パーセントの少数民族(そのうちいくつかは独立の機会を窺っている)を抱えた十四億の国民の統治に成功した政治体制は世界史上に存在しません。中国人は成功した先行事例から「学ぶ」ということができないのです。自分たちで発明するしかない。

孤独につき進むしかないんですよね。

4.まとめ

新型肺炎の件で武漢が閉鎖されました。

武漢市の人口は,東京都とさほど変わりません。(東京都の方が多いですが。)

人口が東京規模の場所に制限がかけられていると考えると,政府はすごい決断をしたんだなぁと思います。

中国のリスクは世界中に影響を及ぼします。規模が大きいのだから当たり前です。現に日本にもウィルスが入ってきています。

「中国,何やってんだよ」と言うのではなく,日本も日本のレベルで対処していかねばなりません。

日本も中国も初めてのウィルスと戦っています。

どうか,みなさん,体調に気をつけてください。

 

以上です。ありがとうございました。(^^)